2021 / 7 / 2 (FRI)
消毒のしすぎで
失われるモノもあることを、
少し覚えておく
#154
ダメージを受けるのはウイルスだけではない。
常在菌のバランスを乱すリスクも考慮を
外出する、何かに触れる、その度に消毒。日に何度もの消毒が当たり前になって久しい今。
ウイルスへの恐怖から、とにかく何でも消毒しなければ気が済まない人も多いのでは。
もちろん、病原性のウイルスは消毒である程度やっつけられます。でも、退治されるのはウイルスだけではありません。
皮膚に存在する常在菌など、人間の健康を守るのに欠かせない微生物にもダメージが。
私たちの体には、100兆個もの微生物が。それらの微生物がバランスを保つことで、私たちの健康は守られています。
例えば、腸内細菌の大切さはよく知られるところ。消毒で常在菌の生態系が崩れると、身体全体の微生物のバランスも乱れる可能性が。
感染を防ぐための消毒が、感染から身体を守る免疫機能を低下させる。そんな皮肉な結果にもなり得ます。
特に、物心ついた時から消毒し続けている子供たちには配慮が必要。人間の免疫は、小さい頃から外で遊び、様々な微生物に触れることで鍛えられます。
その機会が奪われたうえ、殺菌と抗菌の繰り返し。将来的にアレルギーの発症率が大幅に高まることも予想されます。
消毒するな、ということではありません。ただ「とにかく消毒していれば安全」という思考停止はちょっと危険。
ウイルスとの共存はこれからも続くはず。上手な付き合い方を学びたいところです。